今日は、スウェーデンのお話をしましょう。
12月になると、日本はクリスマス、そして大晦日が大きなイベントになっていますが、実は、スウェーデンでは、12月にもう1つ、大きなイベントの日があります。
それは、12月13日に行われる、聖ルシア祭です。

By: Bengt Nyman
北欧の冬は厳しいです。僕の住んでいたヨンショーピンという街は、比較的穏やかな気候のところではあるのですが、それでも寒い日には-20℃に達し、一度積もった雪は1ヶ月以上融けることがありません。
そして何よりも厳しいのは、日の長さです。
北極に程近い、ラップランド地方では白夜(一日中日が昇らない)が有名ですが、ストックホルムあたりでも、朝9時に日が昇り、そして昼の3時には日が沈み、夜になってしまいます。
スウェーデンに住むと誰もが経験することですが、冬は気持ちが沈んでしまいます…
そういう環境にあるスウェーデン、北欧では、この「聖ルシア祭」というものが生まれ、ポピュラーなイベントとして発展してきました。ある意味では、クリスマスシーズンの本格的なスタートの日でもありますが、今日はこの「聖ルシア祭」に焦点を当ててお話します。
「ルシア」とは
「ルシア」とは、寒くて暗い冬の季節に、光を届ける「光の運搬人」です。そして、ルシアは、小さな男の子や女の子です。手にロウソクを持ち、歌を歌いながら、街を歩きます。そして街中に、ロウソクの柔らかな光を届けてくれる、聖なる人物なのです。
白いローブを身にまとい、頭にロウソクのついた冠を載せて歩くその姿は、とても神秘的なものです。特に私たち日本人にとって、北欧の人々は、透き通るような白い肌、そして芸術品のようなきれいなブロンドの髪を持つ、まさに天使のような姿を身にまとっているように感じられます。
こちらはノルウェーの聖ルシア祭の模様ですが、とても幻想的な雰囲気が伝わってきますね(^^)
「ルシア祭」の食べ物
ルシア祭では、「Lucia Bread (ルシアパン)」というパンを食べるのが通例になっています。

By: Ann
そして、飲み物は、Juleglögg という飲み物があります。日本語に直すとホットワインなのですが、ただ暖めたワインなのではなく、フルーツの皮や実、香辛料を入れて、煮詰めたものです。
「聖ルシア祭」の合唱曲
聖ルシア祭で、子どもたちが歌う曲があります。教会で歌うこの音楽は、とても神秘的なものですよ。
なんか、スウェーデンにまた行きたくなってきました。
アブラハムの「聖ルシア祭」の思い出
僕は、2012年の聖ルシア祭の時に、スウェーデンにいました。ちょうど大学の冬休みが始まった時で、スペイン旅行に出かける朝、イェーテボリ(スウェーデン第2の街)のセントラル・ステーションで、聖ルシア祭のセレモニーを見ることが出来ました。
少女たちの透き通るような合唱がとても印象的で、美しい駅舎と、素敵なイルミネーションと相まって、とても感動したなぁ、と今でも思い出すことができます。
僕の住んでいた街、ヨンショーピンでも、大学の近くの教会で大きなセレモニーがあり、学校にいた人はこぞってそのセレモニーに参加していました。
ウィキペディアのページには、南欧のSt. Lucyと混同して、この聖ルシア祭が記述されていますが、正確には別物のようです。英語のページですが、このお祭りの由来が書かれているページがありました。
日本ではなかなか知ることのないイベントですが、北欧諸国では、かなり大きなイベントとして、各街でセレモニーが行われたり、クリスマスらしさが一気に色づく1日でもあります。寒い季節ですが、このセレモニーに合わせてスウェーデンに行くのも、とても素敵なのではないでしょうか。
[adsense]
ピンバック: 本日「聖ルシア祭」!この日のスウェーデン人は何をする? | ADvantage