ついに今週末は、Secret Sphereの来日公演です。
昨日、衝撃的な発表がなされましたので、俄然盛り上がっているような…
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今日も、Secret SphereのCDを紹介します。
Album: Portrait of a Dying Heart
Band: Secret Sphere
Year: 2012
Country: Italy
Genre: メロディックスピードメタル
Track List 1. Portrait Of A Dying Heart 2. X 3. Wish & Steadiness 4. Union 5. The Fall 6. Healing 7. Lie To Me 8. Secrets Fear 9. The Rising Of Love 10. Eternity 11. Legend 2012
ラモン・メッシーナが脱退してしまい、どうすんの?みたいな状況の中で発売されたこのアルバム。当時は、新アルバムが完成したというアナウンスまで出ていたところで、突然の脱退が発表され、衝撃を受けた記憶があります。
そして、後任として、まさかのミケーレ・ルッピの加入。
先日の記事で、いかにミケーレ・ルッピが凄いかを紹介したので、ここでは詳しく書きませんが、Labyrinthのオラフ・トーセンのバンド・Vision Divineに、これまたRhapsodyのファビオ・リオーネの後任として加入し、全メタラーに衝撃を与えたボーカリストでした。
ボーカルラインをすべて作り直したという気合いの入れようで、実際に完成した作品は、近作では失われていたメロディアスさが戻っています。シンセもかなりモダンなアレンジが多く、若干のVision Divineっぽさも感じられる、これまでのSecret Sphereとは雰囲気が変わった部分もありますが、メロスピをベースに、プログレッシブさが加わった独自の世界観は健在です。前作「Archetype」からプロダクションが大幅に向上したこともあり、かなりメジャー感もありますし、それに伴って、モダンさ・アグレッシブさも以前より増しました。
全体を通して聴くと、バラード曲が多いなぁ、という印象があります。これまでは1曲の中で起伏をつけることが多く、ここまで純粋なバラードが多いアルバムは初めてです。ミケーレのボーカルが素晴らしいので、バラードもかなり劇的に仕上がっています。疾走してなくても大丈夫、という方にはかなりオススメ出来る作品です。
#1はインストです。6分もあるかなり作りこまれた曲で、アルバムの世界に引きずり込まれます。
#2はお約束の疾走曲。イントロのアコギからのリードギターにやられます。ノスタルジックな雰囲気のあるイントロから始まる、ルッピのボーカルが素晴らしい。これが新しいSecret Sphereだ、という意気込みの伝わってくる曲で、ここ数作の中では最も素晴らしい、そしてSecret Sphereらしい名曲です。
#3は、イントロのピアノに始まり、非常にシンフォニックな雰囲気の曲。バンドサウンドになると、一気にアグレッシブさを増し、ルッピの力強いボーカルに非常にマッチしています。
#4はミドルテンポの曲。Aメロ、Bメロでのルッピのハモりがかっこいい。アグレッシブさもありながら、優しさもある、この曲もSecret Sphereらしい曲です。
#5は、イントロからかなりテクニカルな、プログレメタルっぽい曲。アルバムに先行して公開された曲で、最初これを聴いた時は、正直「こんな音楽性になっちゃったのか…」と残念に感じていましたが、いざ蓋を開けてみると、アルバムにメリハリを与える、かなりいい感じの曲です。
再びアグレッシブなイントロで始まる#6。この2曲は、かなりモダンなプログレメタルを意識しています。決して変拍子が入っていたりする訳ではありませんが、雰囲気がね。サビがあんまりサビっぽくないんですが、ルッピの歌声がめちゃくちゃかっこいいんです。
そして、MVも公開されている#7。こういうパワーバラードらしいバラードが何曲も入っているのが、結構意外です。バラードは、メッシーナのボーカルで聴いてみたかった気持ちもありますが、ルッピの魂のこめ方が半端なく、鳥肌間違いなしです。
#8は、再びの疾走曲。疾走曲といっても、メロスピ的な疾走曲というよりも、アグレッシブな感じです。ルッピも勿論ですが、このアルバムはギターのアルド・ロノビレがかなりがんばっていますね。昔からこんなリフ弾きまくってたっけ。
#9と#10は2曲続けてのバラード。雰囲気は若干異なっていて、前者は悲しげな、マイナー調のバラードで、後者は、Secret Sphereの1stにあったような、ノスタルジックな雰囲気が全面に出たバラードです。タイトルもEternityですし、1stアルバムのボーナストラック、「Last Moment Of Eternity」と曲調が似ている気がします。
そして日本盤ボーナストラックは、メッシーナによる最後の録音となった、「Legend 2012」です。なんだかんだ言って、Secret Sphereはメッシーナだよなぁ…と思わせる仕上がりになってます。シンセがだいぶ引っ込んでますが、全体的に大きくは変わっていないです。
メッシーナが自分のアカウントでYoutubeにアップロードしているので、日本盤が廃盤になった今でも聴くことが出来るんですね。
これまでのSecret Sphereの中でも、最もアグレッシブさの強い作品になりました。それと同時に、2nd以降の煮え切らなさは皆無です。B級クサメタルが好きなんだよ…というファンも多いのは察しますが(僕がそうです)、ミケーレ・ルッピのボーカルを存分に活かした、バンドとしての格をワンランクどころかツーランクくらいあげることに成功した力作です。
個人的にも、発売されたときは、僕は留学中だったので、親に送ってもらった懐かしい思い出のあるアルバムです。。。
アブラハム的オススメ度 8.5/10
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