同人メタル最強サークルの会心の作品。
Album: Vampir
Band: Unlucky Morpheus
Year: 2015
Country: Japan
Genre: メロディック・スピード・メタル
Track List 1. Vampir 2. Opfer 3. La Voix Ou Sang 4. Phantom Blood 5. Angreifer 6. Vampire (Cover)
凄腕ギタリスト、紫煉(ex-平野幸村)と、Light Bringerでも活躍したボーカル、天外冬黄(ex-Fuki)によるサークル。元々は東方アレンジサークルだったが、2014年の冬コミから、オリジナル曲を中心とした活動に変わったようです。今作はオリジナルの2ndアルバムとなります。
同人メタル界最強ギタリストの一人、紫煉さんと、ジャパニーズメタル界最強女性ボーカリストの一人であるふきてんによるサークルという時点で、もう他のサークルを圧倒しているのは確かですが、楽曲的にもキャッチーな歌メロを載せた高品質なメロスピを聴かせてくれます。シンフォニックさも適度にあり、かなり幅広いメタラーにアピールできる作品になっていると感じました。
僕は東方に全く興味がないのと、いつもD〇N的なお兄さんがいるので、あまり足が向かなかったのですが、ふきてんがメロスピを歌うのは魅力的ですし、勇気を出して購入しました。
アルバムとは言え、インスト1曲、カバー1曲を含む合計6曲なので、ミニアルバム的な作品ですね。とはいえ、同人を生活の糧にしている人は多作ですし、これだけ曲を作り続けられることを尊敬せずにはいられません。
インストに続く#2は、いきなりブラストビートから始まり、かなりモダンさ、アグレッシブさを感じます。キャッチーなボーカルとアグレッシブなギターリフが絡みつく非常にスリリングな展開もいいです。インストパートはモダンさのあるリフパートから、紫煉さんの本領発揮と言わんばかりのテクニカルなギターソロが続きます。めちゃくちゃ上手い…
続く#3も疾走曲ですが、アニソン・東方っぽさの感じられるストレートな曲です。哀愁を感じる雰囲気がとてもいい感じです。そして冬黄さん、キャッチーなメロディーを歌わせても本当にすごいです。感情の込め方が特にすごい…
疾走曲が続きます。#4はキャッチーさもあるものの、ボーカルは激し目の歌唱。よりラブリーっぽい歌い方というか、凄みのある歌い方です。こんなん同人で歌ってたらあかんでしょ…
#5はピアノパートから始まる、ダークな曲。7分を超える力作になっています。途中からどんどん展開が変わっていき、ブラストやグロウルが入ったり、一転してキャッチーになったりと、紫煉さんのコンポーザーとしての力も感じます。この曲は特にギターが弾きまくってますね。
最後のカバーは、電気式華憐音楽集団という、紫煉さんの参加するサークルのカバー曲です。音ゲーとかやる人には有名な曲なのでしょうか。リフがXっぽい疾走曲です。
短いアルバムですが、非常に高品質ですし、ラブリー亡き今、ふきてんが歌う疾走曲を聴けるというだけで価値があるアルバムではないでしょうか。Cross VeinやGauntletみたいな、若くて高品質なジャパメタバンドも出てきてはいますが、テクニック・実力的には上を行っている(と個人的には感じる)ので、同人に抵抗のないリスナーであれば、きっと気にいる作品だと思います。
難点を上げると、新鮮味のない音楽だと感じてしまいましたが、そのあたりは多作な同人サークルの宿命なのかなぁ、という感じはします。
ライブも精力的に行っているようなので、一度くらい見てみたいですが、ちょっとライブ怖そう。笑
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