こんばんは、アブラハムです。今日は就職前の最後の週末で、都心へ仕事関連の買い物に行ってきました。週末の銀座は人がすごかった…
さて、旅行記です。台湾編も佳境に差し掛かってきました。
3月1日
日帰りで郊外へ出かけることにする。日本人御用達の観光地、九份だ。「千と千尋の神隠し」のモデルとなったと噂の街でもあり、ノスタルジックな雰囲気のある、階段と炭鉱の街。
台北駅から電車で20分程で最寄りの駅まで辿り着く。まだ9時過ぎだというのに凄い人だ。なるほど、今日は3連休の中日。これは嫌な予感がしてきた…
駅を出るとそこは活気のある街。駅前の通りには屋台が顔を出している。なるほど、ここはベッドタウンであると同時に、週末には九份観光の足場として栄えているのだ。さて、ここからどうやって行くのだろう。そう考えると、長蛇の列が目に飛び込んでくる。
タクシー待ちの長蛇の列が出来ている。
なんてことだ。バスならともかく、タクシーですらこれほどまでに待たなければならないのか。九份は、台湾人にとっても、中国本土人にとっても人気の観光地なのだ。日付感覚がなくなった俺は、全くそんなこと考慮に入れずに予定を立ててしまっていた…
仕方ないから待つことにする。この時点で、当初の予定にあった十分は泣く泣く諦めることになる。台湾は再び訪れることの出来る距離だから、それほど焦る必要はないのだ。そう自分に言い聞かせる。
今日も日本人3人、台湾人3人であったのだが、無事タクシーに乗ることが出来た。メデ公が謎のコミュ力を発揮する。前のカップルに話をつけて2人滑り込ませるとかいう荒業。しかも、じゃんけんで負けたやつ2人がカップルと乗るとかいう罰ゲームつき。お前らカップルやねんから2人で乗れや。
無事じゃんけんに勝ったから、いいとしよう。
山道をぐんぐん登っていくと、九份に辿り着く。タクシーから降りると、すぐに階段が続いている。元気があるうちにどんどん登っていこう。
しばらく行くと、どんどん階段が賑やかになってきて、両側にお店が所狭しと並んでくる。とりあえず、一同は昼ご飯を食べる。九份来るのに時間かかっちゃったからね。
おそらく一番有名であろうレストランでランチ。何が有名かというと、提灯で飾られた外観が有名なのである。中からじゃ見えないじゃん。
なかなかのお値段がするレストランだけあって、日本人も多く、そして、日本語を話すウェイトレスも多い。そして味付けもどこか日本っぽい。これまで食べてきた台湾料理とは一線を画すものである。
レストラン内から外観を見ることはできなかったが、雄大な風景は眺めることが出来た。
決して天気のいい日ではなかったのだが、なんとか海まで見渡すことが出来た。まるで瀬戸内海に来ているかのような景色。こうやって他のものに例えるのはやめるべきなのだろうか。
店を出て、隣のレストランの入り口までお邪魔する。なるほど、これはノスタルジック。夜になると提灯の明かりがより幻想的な雰囲気を作り出す。それに伴って日本人も増えていく。らしい。
路地を外れる。山の斜面に謎の建築物が立ち並ぶ。
不思議に思い、メデ公に聞くと、これらはお墓なのだそうだ。一族全員が入るお墓だから、家のようになっている、とかなんとか。なんとも言えない異様な雰囲気だけは感じることが出来た。
階段へと戻る。人が多くなければ、登りきるのにそれ程時間はかからないのだろうが、人にもみくちゃにされ、思ったように進めない。そうこうしている間に、どんどん天気は悪くなっていく。登り切った先に何があるのかはよくわからなかったが、とりあえず進む。
ここにも長蛇の列が出来ている。
その正体は、芋圓というスイーツ。また、金時豆的な甘い豆が大量に投下されている。温かいものと氷の入った冷たいもがあって、王くん曰く、冷たいものが元祖らしい。
まあまあイケるやん。
そんなに並ぶほどか?とは思うが、せっかく観光しに来てるのだ、並ぶのも思い出の1つだ。ということにしておく。
そうしている間にもどんどんガスってきて、視界がほぼゼロになってしまう。ポルトガルのシントラ以来の何も見えないやつ。あの時とは違って1人じゃないから、まあそれはそれで楽しくなってくるけど。
せっかくなので野良猫を撮っておいた。
どうせ何も見えないし、そろそろ帰るかー、という気分になっていると、何やら王くんがそわそわしている。何かと聞くと、女の子の友達がわざわざ市内から九份まで遊びに来てくれるらしいのだ。いい加減、この台湾人のフットワークの軽さはなんなんだよ。
てな訳で、何も見えない九份で足止めを食らうこととなる。ここで俺のイライラが高まっていく。そもそもなんでこんなアクセス悪いとこにわざわざ友達を呼びつけるのか。市内でいいじゃん、市内で。しかもこんだけ人がいたら落ちあえるのも落ちあえなくなるだろ。もっと計画性というものを身につけろ、計画性というものを。
案の定、見つからない。
王くんが1人歩き回る。その間、俺はひたすらお土産を見る。なかなか魅力的なお土産が多い。お茶、工芸品、お面。日本にあるものとは一味違い、どれも購買意欲をそそってくる。
そうやって気を紛らわすものの、やっぱりイライラは収まらない。どんなやつなんだよ。
ようやく見つけることが出来たのは、1時間ぐらいしてから。
めっちゃかわいい。
化粧っ気は全くないのに、鼻筋が通っていて、目も二重で、なんというか、凄いイケメン。ウィニーちゃんというそうだ。
来てもらってなんなんだが、何も見えないのですぐ下山する。麓にある、かつての映画館に立ち寄ってみる。小さい頃に行った、京都の東宝の映画館を思い出す。ドラえもんの映画見たなぁ。
帰りも帰りでものすごい混みようである。ここで、再びメデ公が謎のコミュ力を発揮する。普通のワゴン車の運ちゃんと交渉しているのだ。一応タクシーではあるようだが、完全に不認可のやつ。ぼく、異国の地で人身売買とかされたくないんですけど。
とか思ってる間に交渉成立させてやがる。7人乗れるサイズとかいう、超すぐれもの。
法外な値段も吹っかけられることもなく、無事に駅に着く。気が付けばもう夕方だ。そのまま市内へ戻る。なんてのんびりした1日なんだ。まるで日本にいるみたいな、そんな気分になってきた。
市内に戻ってくると、どうしても士林夜市だけには行っておくべきだと、メデ公からの説得を受ける。もう夜市いっぱい行ったじゃん。
ぶつぶつ言いながらも、いざ行くと、この賑わいと、異国情緒あふれる雰囲気に否が応でもテンションが上がってしまう。どうやら台湾人のノリが身についてきたようだ。ただ、士林夜市は、群を抜いて人が多い。
そして、ここでは、恐れていた「ヤツ」をついに口にすることになる…
コイツだ。臭豆腐だ。
毎日毎日、夜市に行くたびに、鼻につく匂いで日本人を困らせてきたこいつ。台湾に来たからには、こいつを避けて通ることは出来ないらしい。いざ、勝負。
口に入れた瞬間は、なんとかイケる。しかし、噛むと汁が出てきて、その汁が臭いのだ。鼻に抜けてくる。その匂いで吐きそうになる。でも飲み込めない。うーんこの。
吐くまいと必死にこらえる。涙が出てくる。どうした、男泣きなんてまだ早いぞ、俺。
1切れを食べるのに3分くらいかかってしまった。
もう二度と食わんわ。揚げてあるし、決して体にいいから食べている訳でもないらしいし。根本が納豆とは違う。納豆は体にいいだけ、メリットがあるというものだが。
士林周辺はかなりの繁華街である。夜市を出ると、ショッピングエリアの方へと歩いていく。3連休の中日ということもあり、本当にすごい人出だった。
この日も結局1日中、歩き回ることになった。ウィニーちゃんに会えただけ、よしとしよう。