35xxxv / ONE OK ROCK


 

世界を手に入れるための、新境地を開く1枚。

 

 

Album: 35xxxv

Band: ONE OK ROCK

Year: 2015

Country: Japan

Genre: メロディアス・ハードロック

 

Track List

1. 3xxxv5
2. Take me to the top
3. Cry out
4. Suddenly
5. Mighty Long Fall
6. Heartache
7. Memories
8. Decision
9. Paper Planes(featuring Kellin from Sleeping with Sirens)
10. Good Goodbye
11. One by One
12. Stuck in the middle
13. Fight the night

 

日本の若手ナンバーワンロックバンドの2015年作。もはや僕なんかがレビューする必要もないほど、様々な媒体で紹介されているこのバンド。今回はメタラーである僕の耳で聴くとどう感じるか、ということを念頭にレビューしていきます。

 


 

 

なんといってもこのバンドの魅力は、圧倒的な歌唱力を誇るTakaの歌声にあります。「完全感覚Dreamer」では日本人離れしたハイトーンで衝撃を与えましたが、それと同時にハードロック的な艶っぽさも持ち合わせている歌声は、ジャンルは違えど、遺伝って大事。と思わざるを得ないものです。この若さで、既に日本人ナンバーワンの実力と言ってもいいでしょう。


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過去作はラウドロックの要素が強く、そこに日本人らしいメロディの乗った、いわゆる「日本人ウケする音楽」をやっていて、実際にそれが評価されて現在の地位を築き上げてきたのだと思います。ただ、今作はその延長線上にありながらも雰囲気の異なる作品になりました。

 

明確に世界を目指す、スケールの大きな、普遍的なロックへの転換。

 

こういう印象を受けました。制作には外部の人間を大々的に迎えており、純粋にONE OK ROCKの作品というよりも、各プロデューサーとの共作という雰囲気が感じられます。というのも、メロディやアレンジの質がこれまでのものとは若干異なっています。特に楽曲は、かなりシンプルになりました。シンプルになっただけでなく、かなり余裕があるというか、初期の作品にあった、全力でぶつかってくるようなテンションの高い曲は1曲もありません。そのあたりは残念ではありますが、これがメジャーになるということなんでしょう…

そしてサウンドプロダクションが大幅に変わりました。スケール感を重視した音場の広いミックスは、正直今まで聴いたことがないものです。日本人が作る音、作れる音ではありません。この音は純粋にすごい。まさに世界を意識した作品です。

 

ただ逆に、普遍さが増したことでメロハーに近づいた作風になっています。それも、とても上質のメロハーです。さらに、英詞が増えたことで、日本語特有のはっきりした発音というのも減り、かなりナチュラルに耳に入ってきます。

 


 

 

インストに続く#2はキャッチーでミニマルな雰囲気のある曲。特にサビがキャッチーで、ONE OK ROCKらしさの中にも、普遍性を感じるものがあります。

そして#3は、このアルバムを象徴する曲。スケールの大きなイントロ、そしてサビ。ロックの激しさよりも、美しさが押し出された、このバンドの新境地を感じさせる名曲です。

 

 

続く#4もキャッチーな楽曲。イントロから徹頭徹尾メロディアスで、ノリのいいビートを刻んでいきます。そしてサビ。鳥肌が立つほど美しいメロディ。コーラスとともに歌い上げるTakaの歌声は本当に神がかっていて、次元の違いを感じてしまいます。

シングルカットされた#5に続き、#6はバラード。毎回似たようなバラードがあり、このあたりはやはり売れることを意識しているようです。#8も同じ路線で、メタラーが好む系の曲ではないように感じます。

そして謎の#9。加工された電子音が目立つ曲で、完全に浮いてます。コラボ楽曲のようですが…

バラード曲#10の後に続く#11は、ONE OK ROCKらしさは薄いものの、Takaがスクリーモも駆使しながら歌う、このアルバム中最も激しさのある曲。サビはやはりキャッチーで、なかなかいい曲。

#12も疾走感のあるストレートなロックナンバー。そして最後を飾る#13は再びのバラード。

 


 

 

アルバム全体を通して聴くと、正直物足りなさは感じます。これまであったロックとしての激しさ、そして日本人的なクサいメロディも影を潜めてしまったため、正直過去作の方が良かったかな…という気もしないではありません。

ただ、本当に新境地に達したというか、前半の楽曲はヘヴィロテ間違いなしの良曲揃いで、こんな音楽を日本人がやってるんだ…というのは感動すら覚えます。バラードにしても、甘いのは甘いですが、ロックバラード的な、ポジティブな印象を受ける楽曲です。

 

どうしてもこのバンドには、売れることが約束された大人のニオイがつきまとってしまいますが、純粋なリスナーとしては、そんなものは全く関係なくて、ただカッコいい曲をやってくれていればいいんです。その点においては、Takaの魅力を引き出した作品を作り続け、さらにそれが「こっち側の」ハードな音楽だというのは、とても嬉しいものです。

 

総括すると、HR/HMの世界で名盤だ!と言える作品ではないですが、ホンモノのロックとしてのカッコよさと、商業バンドとしての売れる音楽とのバランスがとれた作品です。また、これからもTakaの声を活かしながら、メタラーの心にも響く作品を作り続けていってほしいなぁと、そう感じました。

 

 

 

アブラハム的オススメ曲 #3 Cry Out #4 Suddenly

アブラハム的オススメ度 7.5 / 10

 



 

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